大河ドラマ『麒麟がくる 第16回 大きな国』では、斎藤高政が明智の領地替えを命じようとします。ところが、今まで領地替えで日本の歴史は大きく変わってきたので、その事例をいくつか紹介しましょう。
大河ドラマ『麒麟がくる 第16回』のキャスト
大河ドラマ『麒麟がくる 第16回』は、2020年5月3日に放送されました。
脚本&語り
女優&男優
大河ドラマ『麒麟がくる 第16回』に出演する俳優や女優さんたちです。
明智家
- 明智光秀(演:長谷川博己)明智庄で野党と戦う青年
- 明智光安(演:西村まさ彦)明智光秀の叔父
- 牧(演:石川さゆり)明智光秀の母
- 明智左馬助(演:間宮祥太朗)明智光秀の従兄弟
- 煕子(演:木村文乃)明智光秀の幼馴染
斎藤家
織田家
今川家
- 松平元信(演:池田優斗)今川に服従する元大名
その他
大河ドラマ『麒麟がくる 第16回』のストーリー
斎藤道三は、愛する息子たちが、高政によって命を奪われた事に激怒します。このままにしておくものかと思い立ち、道三は稲葉山城を脱出して、美濃の北にある大桑城へ向かいます。
このままでは、斎藤道三と斎藤高政の間で戦が起きてしまって、美濃は真っ二つに割れてしまう恐れがありました。
明智光秀は、このままではいけないと考えて、尾張の帰蝶のもとへ向かいますが、弟たちを追い返した事を恨み、明智光秀は追い返されてしまうのです。
仕方なく、美濃へ戻ったら、何と斎藤高政から「近いうちに領地替えさようと思っている」と言われてしまいます。明智光秀は、その言葉を聞いた時に雷に打たれるような衝撃を覚えますが、叔父 光安の耳に入ってしまいます。
明智光安は、斎藤高政を恨むようになってしまって、一触即発の事態に陥ってきました。はたして明智光秀は、どうするつもりなのでしょうか?
『日本の歴史が変わった領地替え』
今まで、日本の歴史のターニングポイントとなる領地替えはいくつもありました。そこで、最も歴史が変わったと思える領地替えを3つ紹介しましょう。
明智光秀の丹波から山陰への領地替え
最も、日本の歴史が変わったと思える領地替えは、やはり織田信長が明智光秀の領土を丹波から山陰のほうへ変えようとした事でしょう。
明智光秀にとっては、丹波はかけがえのない領土だったのですが、それが京都よりも遠い山陰へ変えられるのは我慢できなかったと言われています。
さらに、山陰はまだ毛利領だったので、領土を取れなかったら丹波を没収する気ではないかと明智光秀は疑心暗鬼に陥ってしまったのです。
この領地替えが、本能寺の変を引き起こしたとも言われていて、もしも丹波から山陰への領地替えがなかったら、日本の歴史はおろか領土も大きく変わっていたかもしれません。
徳川家康の父祖伝来の地から関東への領地替え
徳川家康は、父祖伝来の三河に加えて、遠江・駿河・甲斐・信濃の5ヶ国を有する大大名でした。ところが、豊臣秀吉が北条を降したら、この5ヶ国から関東へ移封させられました。
関東は荒れ地も多く、北条の残党もあり、奥州では野心家の伊達政宗が健在でした。このような不安要素の多い関東へ移封させれば、徳川家康の力をおおいに削ぎ落とせると秀吉はふんでいました。
さらに、徳川家康が関東移封を断れば、それを口実に徳川家を踏み潰す口実もできるという二重三重の罠だったのです。
しかし、豊臣秀吉よりも徳川家康のほうが役者は一枚も二枚も上手でした。徳川家康の内心は腹わたが煮えたぎる思いだったに違いなかったのですが、全く不満の顔を見せずに喜んで関東へ移ります。
そして、秀吉が朝鮮出兵を命じた時に多くの大名たちが多くの国力や兵力を消耗していた時に、家康は関東に移ったばかりで動かせる兵も少ないという理由で朝鮮出兵を防ぎます。
さらに未開だった関東であっても、地道な治水や開墾を行なって、255万石という未曾有の大大名に成長します。のちに旗本八万騎という大軍を有する事になり、江戸幕府を作るキッカケになったのです。
島津・毛利の領地替えを断念
関東移封を乗り越えた徳川家康でしたが、関ヶ原の合戦では息子の本軍が遅参するという大失態を演じてしまいます。これにより、関ヶ原の合戦では何と豊臣恩顧の大名に頼って戦を始める事になったのです。
そのため、豊臣恩顧の大名の力を削ぐ事が難しくなってしまって、毛利や島津を領地替えまたは取り潰しを狙いましたが、それは中途半端な形で終わりました。
それどころか、毛利は120万石から36万石の大減封となり、毎年正月になったら殿と家臣の間で「いつ幕府を討ちましょうや?……まだ早い、いましばらく待て」というやり取りがあったと言われているほどです。
いかに毛利が徳川を恨んでいるか分かるエピソードですね。そして、島津は関ヶ原で敵中突破を敢行して、徳川家に恐怖を抱かせてしまって、全く領地を削られないという奇跡を演じます。
この島津と毛利が後に力を合わせて江戸幕府を滅ぼしたので、もしも島津や毛利を領地替えしていたら、歴史は大きく変わっていたでしょう。
大河ドラマ『麒麟がくる』のまとめ
斎藤高政は、新しい美濃を作るために、領地の洗い直しをしようと考えていました。そこで、優秀な明智光秀に大きな領土を与えようと考えていましたが、光安にとっては大事な領土を手放したくないと考えていたのです。
実際に、中世の武士たちは自分たちの領土のために命をかける事から『一所懸命』という言葉があって、この言葉から『一生懸命』という言葉に転じました。
それだけ、領地替えというのは今の日本と大きく関わっているので、決してドラマだけの話ではありません。そういった事を考えたら、今回の明智の領地替えは色々と感慨深いものがありますね。
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