映画『すばらしき世界』では、三上正夫(役所広司)が10年以上もの刑期を終えてシャバに出てきますが、そこで不条理な真実を学習してしまうので、詳しく紹介しましょう。
映画『すばらしき世界』のキャスト
映画『すばらしき世界』は、2021年2月11日に上映されました。
監督&脚本&原案
女優&男優
- 三上正夫(演:役所広司)愛する女性を守るために刑務所に入った男性
- 津乃田(演:仲野太賀)三上正夫を取り上げるディレクター
- 吉澤(演:長澤まさみ)TVプロデューサー
- 松本良介(演:六角精児)スーパーの店長で、三上正夫の万引きを疑う
- 井口久俊(演:北村有起哉)生活保護受給者を見守る男性
- 下稲葉明雅(演:白竜)三上正夫の兄貴分だった人物
- 下稲葉マス子(演:キムラ緑子)下稲葉明雅の妻
- 西尾久美子(演:安田成美)三上正夫の元妻
- 庄司勉(演:橋爪功)弁護士で、三上正夫の身元引き受け人
- 庄司敦子(演:梶芽衣子)庄司勉の妻
映画『すばらしき世界』のストーリー
三上正夫は、10年以上もの長い刑期を終えて、ようやく刑務所から出る事ができますが、自分は全く悪い事はしていないと反省していなかったのです。
その罪状は『殺人』という恐ろしいものでしたが、自分が愛する女性にからんできた男をメッタ刺しにしてしまったのです。TVプロデューサーの吉澤は『面白そうな男じゃん』と思って、津乃田にインタビューするように命じてしまいます。
ところが、三上正夫は刑期を終えても性格が変わっていなくて、困った人間がいたら、力ずくでチンピラたちをねじ伏せる所があり、津乃田は『三上さんは何も変わっていない』とウンザリとしてしまうのです。
三上正夫は、当初こそ『今度こそカタギぞ』と思い、真面目に働こうとしますが、世間は反社に冷たくて、簡単に働く事ができません。何もかも嫌になり、以前の兄貴分だった下稲葉明雅組長のもとへ転がり込みます。
しかし、警察が下稲葉組を取り締まろうとしてきて、下稲葉明雅の妻は「わたしらはもう終わりだが、あんたはまだやり直せる」と説得されて、再びぼろアパートへ戻っていく事になるのです。
周りの者たちも、三上正夫が二度と道を踏み外さないように支援して、今度は介護施設で働く事になります。職場では、職員たちが障害者をいじめようとしている所を目撃してしまいますが、二度と暴れないと心に誓ったので、見てみぬ振りをしてしまいます。
はたして、三上正夫は今後どうなってしまうのでしょうか?
『三上正夫(役所広司)がシャバで学習した不条理な真実』
三上正夫(役所広司)がシャバに出てきて『今度こそカタギぞ』と意気込んでいたのに、困っている人間を助けようとしたら、大ごとにされそうになってしまいます。
津乃田から「この世界では、見て見ぬふりをして逃げるのが良いんですよ」と言われてしまって『そんな事ができるか!』と反発してしまうのです。
ところが、恩義のある兄貴分の家が警察に取り囲まれた時に、組長の妻から「あんたはやり直せる」と逃げるようにさとされます。ここで、三上正夫はついに逃げてしまって、それからは困っている人間を目撃しても、逃げるようになりました。
ここで、三上正夫は困っている人間がいたとしても、逃げるのが一番という不条理な真実を学習してしまったのです。
映画『すばらしき世界』と他の作品を比較
映画『すばらしき世界』では、カタギになると決めていた三上正夫(役所広司)が、シャバの不条理な真実を受け入れてしまいます。
ところが、映画『ヤクザと家族 The Family』では、不条理な真実から逃げずに、山本賢治(演:綾野剛)は真っ向から不条理な問題にぶつかっていくのです。
なぜなら、世間から嫌われていても、組長の家族になったからには見捨てておけなかったからです。
どちらとも、法律だけが全てなのか?そう問いかけるうような作品になっていて、色々と考えさせられるストーリーなので、一度は見ておく価値があるでしょう。
映画『すばらしき世界』のまとめ
多くの高齢者たちの方が、映画館まで足を運んでいましたが、おそらく役所広司さんのファンなのでしょう。
それにしても、役所広司さんが叫ぶ所は迫力があって、すごかったですね。今まで、カタギの人間とは違う迫力を感じられて、ベテラン俳優の演技は違うなぁと圧倒されました。
そして、何もしないで逃げる事は法律的には問題はないのですが、人間としてはあまり褒められたものではありません。
チンピラを蹴散らして困っている人間を助けたら、人間としては立派ですが、法律的には暴行罪が成立してしまうので、この辺りは法律の全てが正しいのか?今の社会に問題はないか?そう問いかけるような映画でしたね。