映画『ベロニカとの記憶』では、トニーという老人男性が、過去を美化していましたが、ベロニカから渡された手紙で過去を破壊されてしまうので、詳しく紹介しましょう。
- 『ベロニカとの記憶』のキャスト
- 『ベロニカとの記憶』のストーリー
- 『トニーが美化した過去を破壊する手紙の内容』
- 『ベロニカとの記憶』の豆知識
- 『ベロニカとの記憶』と他の映画を比較
- 『ベロニカとの記憶』の感想
『ベロニカとの記憶』のキャスト
アメリカ合衆国とイギリスの合作のミステリー映画『ベロニカとの記憶』は、2018年1月20日に日本で上映されました(上映時間は約108分)。
監督&脚本
ある男が過去をたどっていく映画『ベロニカとの記憶』を制作したのが、リテーシュ・バトラ監督になります。
- 監督:リテーシュ・バトラ
- 脚本:ニック・ペイン
- 原作:ジュリアン・バーンズ『終わりの感覚』
登場人物&役者
映画『ベロニカとの記憶』に登場する人物や役者さんたちは、以下の通りです。
- トニー・ウェブスター(演:ジム・ブロードベンド)ある手紙を貰う男
- 若い頃のトニー(演:ビリー・ハウル)我慢強くも多感な青年
- マーガレット・ウェブスター(演:ハリエット・ウォルター)トニーの前の妻
- スージー・ウェブスター(演:ミシェル・ドッカリー)トニーの娘
- ベロニカ・フォード(演:シャーロット・ランプリング)トニーが若い頃に付き合ってた彼女
- 若い頃のベロニカ(演:フレイア・メーバー)トニーを振り回す女性
- セーラ・フォード(演:エミリー・モーティマー)ベロニカの母親
- エイドリアン・フィン(演:ジョー・アルウィン)親友を裏切った男
『ベロニカとの記憶』のストーリー
トニーは、リタイアするほどの高齢の男性で、離婚をした前の妻とは良好な関係で、娘は子供を産もうとしている所でした。これからも、穏やかな毎日が続くものとばかり思っていたのに、ある手紙が届いた事によって、それは一変するのです。
それは若い頃に付き合っていたベロニカの母親セーラからの物で『親愛なるトニー、添付品をあなたに遺します。遠い昔の思い出の品です。お金も少々遺します。あなたの幸せを祈っています』とありました。
さらに、追伸で『彼の最期の数ヶ月は幸せなものでした』とも書いてありました。しかし、添付品が入っていなかったので、それを確認しに行ったら、係りの女性は「娘のベロニカが添付品の日記を持っています」と言うのです。
トニーはベロニカに会おうとしますが、相手が了解しなければ、それは無理と言われます。
そこで、係りの女性は相手に了解を取ってみますと言うので、連絡を待つ事にしました。その間に、トニーは若い頃に、ベロニカと出会った事や、親友のエイドリアンの事を思い出していました。
トニーは、若い頃に、部屋の扉の隙間にあった紙切れを見たら、親友のベロニカと彼女のベロニカが付き合っている事が書いてあったのです!
「ふん」と鼻で笑い、手紙には『心配ご無用、全く構わないよ』と書いて切手を貼りますが、それからエイドリアンは浴槽で手首を切ってしまい命を絶ってしまうのです。
トニーは、エイドリアンの最期を違う友達から聞いて、絶句してしまいますが、添付品を渡そうとしなかったベロニカが、ようやくトニーと会う事にしました。
トニーはカフェの席で「添付品は私のものだから貰う権利がある」と迫りますが「法律的にはOKだけど、道徳的にはNOよ」と睨(にら)まれます。
はたして、ベロニカとトニーは和解する事はできないのでしょうか?
『トニーが美化した過去を破壊する手紙の内容』
トニーは『心配ご無用、全く構わないよ』という手紙を送ったと思っていました。
しかし、ベロニカから渡された手紙には『君らが泥沼にハマり永遠に傷つきますように、僕は時間の復讐を信じるよ。君らの股ぐらの産物に悪意をぶつけるのは間違いないだろう。彼女は人を惑わす女だ、彼女の母親に聞いてみろよ』と書いてあったのです。
この手紙により、エイドリアンは自ら命を絶ってしまい、ベロニカは辛い人生を味わう事になってしまいまいた。
トニーは、いつの間にか自分の過去を美化していて、いかにひどい事をしたのか?それを忘れてしまっていたのです。
『ベロニカとの記憶』の豆知識
映画『ベロニカとの記憶』に関連する豆知識を紹介するので、良かったら、ご覧になってみて下さい。
過去を美化する理由
トニーは、過去を信じられないほど美化していました。それはなぜなのでしょうか?実は、私たち人間の脳は、嫌な事はあまり思い出せないようになっていて、楽しい事は思い出しやすいようになっているからです。
そのため、脳は過去の記憶が少しずつ変わっていく事があるので、10代や20代で辛い失恋を味わった記憶でも、大人になったら美しい思い出になってしまうケースがあるのです。
この事に関しては、下のサイトで、医学博士の米山公啓先生が詳しく紹介しています。
ノスタルジーは危険を伴う
過去の事ばかりに気をとらわれていたら、現実を見られなくなります。実際に、ベロニカとの記憶でも、トニーは昔の事ばかり考えて、娘の事をほったらかしにしそうになってしまいました。
そのため、過去の事を思い返すのは良いかもしれませんが、現実の事がおろそかにならないように注意しなければいけません。この事に関しては、下のサイトで紹介されています。
「懐かしい気持ち」がもたらす、意外なメリット | ライフハッカー[日本版]
『ベロニカとの記憶』と他の映画を比較
映画『ベロニカとの記憶』では、過去を美化した事により、手紙の内容が判明する事によって、一気に後味の悪い作品でした。
しかし、それに比べたら、ラストレターは手紙の文通により淡い恋愛話が蘇っていきます。
それでも、ラストレターも性格の悪い男が出てくるので、どのみち後味が悪い事に代わりがないので辛い所です(苦笑)。
『ベロニカとの記憶』の感想
映画『』を見た感想を紹介するので、参考にしてみて下さい。
『ベロニカとの記憶』のオススメ層
若い頃の思い出のシーンが出てきますが、老人になってから、かつて付き合っていた二人が火花を散らしてしまいます。そのため、若年層よりはシニア層向けの映画と言えますね。
- 恋人同士:⭐️⭐️⭐️
- キッズ:⭐️
- 若年層:⭐️⭐️⭐️⭐️
- 中年層:⭐️⭐️⭐️
- シニア層:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
『ベロニカとの記憶』の残念な所
殺人事件が起きないミステリー映画は、刺激の少ない内容なのだろうと思っていましたが、実際に見てみたら、下手な殺人事件を扱ったミステリー映画よりも刺激的で、心を打ちのめす内容になっていました。
そのため、あまり刺激的ではないミステリー映画を見たい方は、注意したほうが良いでしょう。
『ベロニカとの記憶』の見所
トニーは、良心的な手紙を送ったと思っていましたが、真相は、その手紙を途中で破ってしまいます。それ以降はネタバレになるので言いませんが、ここまでの事をしたら、恨まれても仕方ないのですが、どっちもどっちという感じがしますね。
結果的に、親友の男と付き合うというのは、男の側からしたら最大級の裏切り行為と言えるので、それだけはやってはいけないと思ってしまいました。
しかし、トニーの卑劣な行いによって、驚くべきことにエイドリアンとセーラの間に子供が生まれてしまいます。 まさにベロニカにとっては二重三重の苦しい人生だったのでしょう。
途中までは「手紙を渡そうとしないミステリー映画なんて、きっと最期まで退屈な映画なんだろう」と高をくくっていましたが、途中からは目が離せない展開になっていったので、見所の多いミステリー映画でしたね。