お殿様から利息を取ろうとする映画『殿、利息でござる』のキャスト・ストーリー・予告動画などを紹介しているので、参考にしてみて下さい。
- 映画『殿、利息でござる』のキャスト
- 映画『殿、利息でござる』のストーリー
- 『穀田屋十三郎 (演:阿部サダヲ)の父は守銭奴ではない?』
- 『殿、利息でござる』と他の映画を比較
- 映画『殿、利息でござる』の感想
映画『殿、利息でござる』のキャスト
日本の歴史映画『殿、利息でござる』を見た感想について、詳しく解説します。
監督&脚本
登場人物&俳優
殿、利息でござるに登場する人物や、俳優さんたちは以下の通りです。
穀田屋十三郎 (演:阿部サダヲ)
職業は商人なのですが、正義感が強くて宿場町全体の事を考えて、稼いだお金をつぎ込もうとする一本気な性格をしています。
穀田屋音右衛門(演:重岡大毅)
十三郎の息子ですが、稼いだお金を他人のために使う父親に反発。
加代(演:岩田華怜)
十三郎の娘で、父親と音右衛門が、いがみ合わないようにしようとする優しい娘。
先代・浅野屋甚内(演:山崎努)
十三郎の父親で両替屋の主でした。正義感の強い息子に比べて、父親は町の者達から守銭奴と言われるほど金に固執する人物という噂。
浅野屋甚内(演:妻夫木聡)
十三郎の弟ですが、父親に似て金に固執する人物という噂。茶師から高い利子を取り、影で不満を言われるほどの根っからの商人。
きよ(演:草笛光子)
きよは、十三郎たち兄弟の母親。威厳のある顔立ちで、長男である十三郎を他家に養子に出した事などの理由を何も喋らない寡黙な一面のある女性。
菅原屋篤平治(演:瑛太)
茶師で、頭が良い人物と言われており、この人物が思いがけない策を考えつき、ストーリーが展開。
なつ(演:山本舞香)
なつは篤平治の妻で、若くて奇麗な妻であり教養がある女性。
とき(演:竹内結子)
煮売り屋「しま屋」の女将で、ツケで料理を出す優しい女性
遠藤幾右衛門(演:寺脇康文)
肝煎(きもいり)を勤める遠藤幾右衛門は、村民を代表する村役人ですが、お金を用意する事に協力的な立場を取ってくれる人物。
千坂仲内(演:千葉雄大)
大肝煎は、吉岡宿の40もの村を代表する役人で、武士と民の間をとりもってくれる人物ですが、名誉を重んじる所があり菅原屋篤平治に怒られる事も。
伊達重村(演:羽生結弦)
驚くべき事に、フェイギュアスケート「羽生結弦」選手が仙台藩の殿様役を演じています。見事なちょんまげ姿でした。
萱場杢(演: 松田龍平)
萱場杢は、仙台藩の重臣で財政を担当。この人物こそ、商人達の願いを妨害していく事になるのです。
橋本権右衛門(演:堀部圭亮)
仙台藩の代官である橋本権右衛門は、民の事を考える大肝煎に協力してくれる存在。
映画『殿、利息でござる』のストーリー
守銭奴と言われていた先代・浅野屋甚内が、夜中に瓶(かめ)の中に銭を入れていましたが、お金を貸していた貧しき者が夜逃げしようとしているのを見つけて呼び止めてしまうのです。
貧しい者にも情け容赦ないと思われていた守銭奴ですが、ついに亡くなってしまいます。しかし、父親に負けない程お金に固執する次男「浅野屋甚内」が主を務めるようになっていました。
そんな父や弟とは性格が全く異なる人物が、穀田屋十三郎です。
自分達が住んでいる宿場町「吉岡町」を救おうと、お上に直訴しようとします。それを茶師である菅原屋篤平治に阻止されて、命拾いする事になるのです。
吉岡町では「伝馬役(物資の輸送)」を負担しており、あまりの貧しさから夜逃げをする者が後を絶ちませんでした。そのような窮状を見かねて、穀田屋十三郎は何とかならないかと菅原屋篤平治に相談しますが、あまり良い策を貰えないで落ち込みます。
菅原屋篤平治が、しま屋へ行こうとしたら、浅野屋甚内の兄に偶然会ってしまいます。そこで、弟さんに利息を取られた事について、兄である穀田屋十三郎に愚痴をこぼしてしまうのです。
そして二人で会話を交わしていくうちに、菅原屋篤平治が殿様に1000両(約3億円ほどのお金)ほどのお金を貸して毎年100両の利息を取り、宿場町の負担を軽くしようという策を持ちかけます。
『これはいけるぞ』と思い、殿様から利息を取り、宿場町のために奔走しようとしますが、そんなに上手くいくのでしょうか?
『穀田屋十三郎 (演:阿部サダヲ)の父は守銭奴ではない?』
穀田屋十三郎 (演:阿部サダヲ)は、父を守銭奴と忌み嫌っていましたが、実は違っていました。
浅野屋甚内(演:山崎努)は、確かに甕(かめ)に銭を少しずつ溜め込んでいるような男でしたが、夜逃げしようとした者を呼び止めて「金がなくて大変だろう」と言って、お金を分け与えていたのです。
実は、お金を溜め込んでいたのも、宿場町や民たちを何とか救おうと思って、金を貯めていました。
しかし、論語を愛していて、息子に論語を読み聞かせるほどの人物でしたから、先代は周りに褒めてもらうために行うものではないから、この事は他言するなと家族には言っていました。
穀田屋十三郎は、弟の浅野屋甚内が瓶を持って来て「父上が昔から銭をためこんで、お上に銭を上納する代わりに伝馬を減らしてくれるように願うつもりでした」と教えられます。
『そんなバカな』と愕然としますが、先代の願いは叶わず、亡くなる直前に息子に宿場町のために銭を使って欲しいと頼みこんだのです。
浅野屋甚内は「よく父が論語を教える際に、人を助けても報いを求めるなとおっしゃっていました」と懐かしみます。
穀田屋十三郎は論語を聞くのが嫌いで遊んでしまっていて「私は何も聞いていなかった」と後悔するように言いますが、母親は「聞いていたのですよ。遊んでいるようで、あなたはちゃんと聞いていました」。
弟も「だから今、父上と同じ事をしているではありませんか?」と優しく語りかけて、穀田屋十三郎は涙を浮かべて、その場にいる事しか出来なくなりました。
『殿、利息でござる』と他の映画を比較
お金に苦労する歴史映画は『殿、利息でござる』の他にも『決算!忠臣蔵』というものもあります。
忠臣蔵と言えば、亡き主君の仇討ちをするというカッコいい物語ですが、この映画では仇討ちをするために、お金のやりくりに苦労させられてしまいます。
しかし、戦の事ばかり考えて、金のやりくりを知らない浪士が多すぎて、勘定方の矢頭長介(演:岡村隆史)から批判されてしまい、一触即発の危機に陥ってしまいます。
忠臣蔵を面白おかしく描く映画は、多くないので、そんな忠臣蔵を見たい方には、オススメの映画ですね。
映画『殿、利息でござる』の感想
殿、利息でござるを見た感想について、詳しく解説します。
映画『殿、利息でござる』のオススメ層
父と息子は反発しやすくて、ついつい親子喧嘩する事は多いでしょう。そんな事もあり『息子には何も言っても無駄だ』と思うかもしれません。
しかし、この映画では長男が聞いていないようで、父の教えがしっかりと頭に入っていたので、親子で『殿、利息でござる』を見たら、少しは家族関係を見直せるかもしれません。
- ファミリー層:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
- キッズ:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
- 若年層:⭐️⭐️⭐️
- 中年層:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
- シニア層:⭐️⭐️⭐️
映画『殿、利息でござる』の残念な所
穀田屋十三郎は、論語を聞く事が嫌いで、遊んでいたのに対して、弟は最後まで論語を聞いていました。そのため、長男であるにも関わらず、他家へ養子に出された穀田屋十三郎は『私は父上から見限られた』と思い込んでいました。
しかし、弟は体が不自由な事があり、そんな次男を養子に出したら、他家に迷惑がかかるので長男を養子に出したのです。
弟から、そんな事情を聞かされて「兄様には迷惑をかけてしまい申し訳ありません」と謝られて、穀田屋十三郎は何から何まで父上の気持ちを理解していない事を知って悔やんでしまうのです。
かなりの美談ですが『親の心、子知らず』の極みであり、穀田屋十三郎よ、それはよくないぞと思ってしまいました。
一つ残念なのは、長男に理解されないうちに、浅野屋甚内が亡くなった事ですね。周りのためを思って、金を貯めていたのに、周りに報いを求めないために事情を話さないとは真似できるものではありませんね。
映画『殿、利息でござる』の見所
この物語の最大の見所は何と言っても、守銭奴と思われていた穀田屋十三郎の父と弟が、宿場町全体の事を考えて銭を貯めていた所でしょう。
何か良い事をしようとしている事は、やはり誰かに言いたくなってしまうものですが、それを守銭奴と言われても、黙って続けていた所が凄いですね。
そして、父の言葉を聞いていなかった穀田屋十三郎は、遊んでいる時でも、しっかりと話が頭に入っていき宿場町のために奔走している所も感動したでござる。