映画『火垂るの墓』では、親戚の叔母が清太に厳しく接してしまいますが、清太たちも悪い所があったので詳しく紹介しましょう。
- 映画『火垂るの墓』のキャスト
- 映画『火垂るの墓』のストーリー
- 『叔母だけではなく清太たちも悪かった?』
- ジブリ映画の全作品の豆知識・ストーリー
- 『火垂るの墓』と他の映画を比較
- 映画『火垂るの墓』の感想
映画『火垂るの墓』のキャスト
1988年4月16日に日本で公開されたジブリの映画『火垂るの墓』は、戦時中に空爆されていた日本で、二人っきりで生きていく兄弟愛を描いたアニメ作品になります。
監督&脚本&原作
登場人物&声優
映画『火垂るの墓』のストーリー
昭和20年の日本は、アメリカの無差別爆撃によって、多くの市民たちが戦火に逃げまどっていました。まだ少年だった清太は、妹と一緒に避難しようとしていましたが、先に母親に避難するようにせかします。
そんな親想いの息子を頼もしく思った母親は、先に防空壕へ避難します。親を先に避難させた後に、清太は節子と一緒に避難しようとしますが、上空には多くの敵機が飛んでいました。
避難先の学校には母親がいましたが、清太だけが通されて、知り合いのおばさんが節子を見る事にしたのです。清太はどういう訳なのだろうかと思っていたら、そこには変わり果てた母親の姿がありました。
しかし、清太は、節子には母親が亡くなった事を内緒にします。
清太たちは親を亡くしてしまったので、仕方なく親戚の叔母さんの家に住む事にします。清太は自分が持っていた梅干しを叔母さんにあげますが、叔母さんに母親の服を米と物々交換しないかと提案されます。
清太はそれに納得しますが、節子は泣きながら反対しようとするのです。節子にとって会えなくなった母親の服がなくなってしまうのは、耐えられない事でした。しかしホカホカの白米を食べられる事に二人は、つかの間の幸せを感じます。
しかし学校が燃えて、どこにも外出しないで妹の面倒を見るだけの清太に対して、叔母さんは次第に態度を硬化させていき、何もしない疫病神と罵るようになるのです。
二人は、近くにあった防空壕へ避難して生きようとしますが、やがて妹は栄養失調で倒れてしまいました。はたして、二人は無事に生き延びる事ができるのでしょうか?
『叔母だけではなく清太たちも悪かった?』
叔母に説得されて、清太は母親の形見の服を差し出して、コメと交換してもらいます。
最初は、妹も「大事なお母ちゃんの形見だ」と泣いて反対していましたが、久しぶりに白いお米を多く食べられて、頬が緩みました。
しかし、清太は叔母さんの家に泊められていたのに、何も手伝わずに、妹の世話ばかりしていました。その様子を見ていた叔母は、しだいに苛立つようになり、清太を疫病神呼ばわりしてしまいます。
恐らく、清太は自分たちの母親の服を差し出したから、十分な事をしたと思っていたのでしょう。しかし、叔母も生きていく事に精一杯だったので、清太に苛立ってしまう気持ちもよく分かります。
そういった事を考えたら、清太にも、もう少し周りの人間に思いやる気持ちがあれば、兄弟が悲劇的な結末を迎えずに済んだかもしれません。
ジブリ映画の全作品の豆知識・ストーリー
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『火垂るの墓』と他の映画を比較
ジブリは、今作以外にも戦争に苦しむ人々を描いていて、それが『風立ちぬ』です。飛行機を設計しようとする男が、仕事に没頭しますが、その間にも戦争の影が迫っていた上に、愛する人の体調は悪くなる一方でした。
ロマンティックなストーリーなので、悪くはなかったのですが、主役の声優の喋り方があまりにも棒読みで『な、なんだこれは!』と思ってしまいます。
そういった事を考えたら、ジブリの戦争アニメは『火垂るの墓』に軍配が上がると言えるでしょう。
映画『火垂るの墓』の感想
ジブリは、人々の心に希望を与えるようなアニメ作品が多い中で、この火垂るの墓は異色の作品になっています。そのような悲しいストーリーになっている火垂るの墓を見た感想を紹介するので参考にしてみて下さい。
映画『火垂るの墓』のオススメ層
兄弟だけで、苦しい時代を生き抜こうとするので、ぜひとも兄弟そろって見て欲しい映画ですが、あまりにも暗い感じなので、そこが好き嫌いが分かれる所でしょう。
しかし、日本人がいかに苦しい思いをしたのか?そこは見ておく必要があります。日本は自ら戦争を望んだ訳ではなくて、平和を楽しんでいたのに、西洋列強が軍事力にモノを言わせて不平等条約を押し付けてきた事が原因です。
その果てに、追い詰められていき、次第に軍部が暴走した経緯があります。今はロシアがウクライナに侵略して大変な想いをしている方が多いので、このアニメはもう一度再評価されて良いと思いますね。
ちなみに、私は大日本帝国が全て良いとは言いませんが、全て悪いとも思いません。
- 兄弟:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
- キッズ:⭐️⭐️⭐️⭐️
- 若年層:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
- 中年層:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
- シニア層:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
映画『火垂るの墓』の残念な所
戦時中の日本でも、二人はたくましく生きようとしますが、やはりストーリー全体的にあまりにも暗いです。もう少し明るい話があっても良かったのではないかなと思うので、その辺りが残念な所でしたね。
それと子供の時に火垂るの墓を見た時は、清太の叔母さんは何と性格の悪い奴だと思ったものですが、大人になって見返してみたら叔母さんの気持ちが少しは分かりました。
確かに妹の面倒を見るだけで、街の消火活動や食器洗いを何もしないので、文句の一つや二つは言いたくなるだろうと思いましたね。そこは清太も、叔母さんに対して、もう少し協力的になっていたら、状況は変わっていたのかもしれません。
映画『火垂るの墓』の見所
清太たちは蛍の光に心を癒されるのに、作品名では、なぜか『蛍』ではなく『火垂る』となります。これには、母親が空爆で亡くなってしまって火葬するので、それで火垂るではないのか?と言われています。
しかし、作家本人が亡くなっているので、確認のしようがありません。
全体的に悲しいストーリーですが、妹と一緒に生きようとする清太の姿を見ていたら、兄弟愛とはここまで強いものかと心を打たれました。今の日本で、ここまで心を一つにできる兄弟はそれほど多くないかもしれません。
それを考えたら、清太と節子が貧乏な中でも必死に生きようとする所が、この映画の最大の見所でしょう。