映画『特殊部隊ウルフ・スクワッド』では、トルコのクーデターを描いたものですが、あまりのもお粗末な作品だったので、その理由について解説します。
- 映画『特殊部隊ウルフ・スクワッド』のキャスト
- 映画『特殊部隊ウルフ・スクワッド』のストーリー
- 『トルコのクーデターを描いた映画は内容がお粗末』
- 『特殊部隊ウルフ・スクワッド』と他の映画を比較
- 映画『特殊部隊ウルフ・スクワッド』のまとめ
映画『特殊部隊ウルフ・スクワッド』のキャスト
トルコの歴史映画『特殊部隊ウルフ・スクワッド』は、2019年7月21日に公開されました。
監督&脚本
登場人物
- ケマル:人質になりながら、反撃を狙う軍人
- カヤ:テロ組織を指揮するリーダー
- トゥムラン:装甲車でテロに応戦する軍人
映画『特殊部隊ウルフ・スクワッド』のストーリー
トルコは、中東に国において、真っ先に近代民主主義国家として成立しましたが、2016年7月に一部の軍人が反旗をひるがえして、クーデターを起こしてしまいます。
反乱軍の勢いは凄まじくて、アタチュルク国際空港は占拠されてしまい、空軍基地まで占領された所まで出てきたのです。
空軍基地が占拠されてしまえば、空軍の航空機によって大統領機が攻撃される恐れがあり、一刻の猶予もありませんでした。特殊部隊ウルク・スクワッドは『まずは、通信を奪回する必要がある』と考えて、通信塔を奪回しようと動き出します。
通信塔の入り口には、反乱軍の戦車が待ち構えていたので、仲間のフリをして「今は、あっちに移動しなければ大変な事になるぞ」と嘘の命令を下して、戦車を上手くどかして、通信塔を奪回する事に成功しました。
しかし、反乱軍のリーダーのカヤは、戦車が近づいてきて「こっちへ来るように命令されて」と言われて、特殊部隊に上手く騙された事を知って、すぐに通信塔へ向かいます。
市民が不安そうに眺める中で、トルコ国旗を手に持ち、祖国の未来を案じていましたが、特殊部隊と反乱軍の間で激しい銃撃戦が行われていく事になります。
特殊部隊のケマルは、反乱軍のリーダーが自分の幼馴染と知りつつも、国のために、カヤと対峙しますが、クーデターを鎮圧する事はできるのでしょうか?
『トルコのクーデターを描いた映画は内容がお粗末』
この映画は、まず一部の軍がいきなりクーデターを起こす所から始まっていて、なぜ軍がテロリストとなり、クーデターを起こしたのか?その理由をハッキリと描いていません。
これでは、まるで権力が欲しくてクーデターを起こしたような描き方です。
実際には、大きく異なっており、一部のトルコ軍は『トルコの英雄アタチュルクが政教分離を推し進めて、世俗主義を浸透させて今の近代的な国家を作ったのに、今のエルドアン大統領は政教一体させようとしている』という危機感から起こしたものです。
つまりは、権力の掌握のためではなく、祖国の繁栄を思っての行動であり、国民に銃口を向けるためのものではありません。
実際に、このクーデターでは国民を虐殺するような事はなくて、現在のミャンマーとは全く違うものでした。
トルコのクーデターを扱う映画であれば、そういったものをしっかりと描かなければいけないのに、いきなり一部のテロリストが暴れていき、それに応戦するという内容だけであり、あまりのもお粗末な映画と言わざるを得ません。
『特殊部隊ウルフ・スクワッド』と他の映画を比較
トルコを描いた映画で、外せないものとして、今作以外にも『海難1890』があります。
海難1890は、トルコが日本の天皇陛下の返礼を送ろうとして、エルトゥールル号に乗って一団が日本に到着します。しかし、帰路につこうとしたら、大嵐が襲ってきて、エルトゥールル号が大破してしまうのです。
そこで、日本人が懸命な救助作業をして、多くのトルコ人を救出して、トルコへ帰っていけるように手配しました。
トルコは、この事をよく覚えていて、中東で多くの日本人が戦争に巻き込まれて帰国できなくなった時に、トルコが航空機を使って日本人を避難させました。
まさに、日本とトルコの友好を描いた作品であり、日本とトルコの関係について知りたい方には、オススメの映画ですね。
映画『特殊部隊ウルフ・スクワッド』のまとめ
特殊部隊ウルフ・スクワッドを見た感想について、詳しく解説します。
映画『特殊部隊ウルフ・スクワッド』のオススメ層
トルコについて詳しく知りたい方には、オススメしたい映画ですが、いまいちクーデターを正しく伝えきれていない映画です。そのため、トルコを詳しく知りたい方よりは、銃撃戦を見たい方にしかオススメできない作品ですね。
- 銃撃戦が見たい方:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
- トルコを詳しく知りたい方:⭐️⭐️
- キッズ:⭐️⭐️⭐️
- 若年層:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
- 中年層:⭐️⭐️⭐️
- シニア層:⭐️⭐️⭐️
映画『特殊部隊ウルフ・スクワッド』の残念な所
トルコのクーデターを扱う映画なら、もう少し世界各国の指導者役を出演させておけば良かったのではないかと思ってしまいました。
ひどい事に、トルコのエルドアン大統領さえ出てこないので『何、この映画?』と思ってしまうものです。
トルコのクーデターが未遂に終わったのも、日本や欧米諸国が早めにエルドアン政権を支持した事が大きかったので、そこもしっかりと描いて欲しかったですね。
映画『特殊部隊ウルフ・スクワッド』の見所
不満が残る映画でしたが、トルコ軍が協力した事により、迫力のある銃撃戦を見る事ができます。そのため、ミリタリー映画が好きな方であれば満足できる可能性はあるでしょう。
どちらかと言えば、歴史映画というよりは普通のアクション映画という感じがしますね。