ヴィクトリアの自殺が大罪となっている訳を解説!映画『死霊館のシスター』

映画『死霊館のシスター』では、ヴィクトリアが自殺してしまいますが、なぜキリスト教では自殺が大罪になるのか?詳しく解説します。

映画『死霊館のシスター』のキャスト

アメリカ合衆国のホラー映画『死霊館のシスター』は、日本では2018年9月21日に公開されました。

監督&脚本

登場人物&俳優

  • アイリーン(演:タイッサ・ファーミガ)バチカンから抜擢された修道女
  • バーク神父(演:デミアン・ビチル)アイリーンと共に調査をする神父
  • フレンチ(演:ジョナ・ブロケ)アイリーンを教会まで案内する男性
  • ヴィクトリア(演:シャーロット・ホープ)自殺してしまった修道女
  • オアナ(演:イングリット・ビス)アイリーンを心配する修道女

映画『死霊館のシスター』のストーリー

聖カルタ修道院で、二人の修道女が恐る恐る暗い通路を歩いていたら、一人の修道女が襲われてしまい、血まみれになりながら「あなたに憑依して逃げる気よ」と鍵を託して、悪魔にひきずられていきました。

ヴィクトリアは、もはや逃げられないと覚悟を決めて「神よ、お許しください」と泣きながら、首吊り自殺をしてしまうのです。

ヴァチカンは、由々しき事態だと考えて、バーク神父と修道女アイリーンに調査をするように命じて、二人はヴィクトリアを発見したフレンチのもとを尋ねる事にしました。

フレンチは、二人を教会関係者だとは思っていなかったので『神父や修道女なのか?』と驚いてしまいます。3人は、一緒に聖カルタ修道院へ行きますが、フレンチがヴィクトリアを寝かせていたハズなのに、なぜか座っていたのです。

バーク神父は、ヴィクトリアが握っていた鍵を取り、首吊り自殺した場所へ行きますが、数日も経っていたハズなのに、ヴィクトリアの血がまだ固まっていませんでした。

アイリーンは、信じられない現実に驚愕してしまいますが、フレンチは後で迎えに来る事を約束して立ち去っていきました。

その後に、バーク神父は恐ろしい力によって、棺の中に入れられてしまい、必死に助けを求めるハメになってしまって、間一髪の所でアイリーンに助けられます。

アイリーンは、修道院の暗い通路を歩いていきますが、そこにシスターの格好をした悪魔たちが大群になって歩いてきたので「キャアアー」と悲鳴をあげてしまうのです。

フレンチは、二人の事が心配になり早めに迎えに来て、助けようとしたら、悪魔に乗っ取られたアイリーンが「このフランス野郎」と首を絞めてしまいます。

バーク神父もアイリーンを助けようとしますが、悪魔の口から出てきた蛇が首に巻きついてきて絶体絶命のピンチに陥ってしまうのです!

『ヴィクトリアの死に関連する3つの謎』

ヴィクトリアは、悪魔の憑依を防ぐために自殺してしまいますが、ヴァチカンは「自殺は大罪だ」と非難していました。

なぜ、キリスト教では自殺が大罪となっているのか?それは呼んで字のごとく、自殺とは自分を殺す行為であり、犯罪行為にあたるからです。

参照元https://newsphere.jp/national/20180629-1/

最近の日本では、自殺者を非難するべきではないという理由から『自殺』から『自死』という言葉の変更を試みています。小手先だけ変えようとするのは、日本人の悪いクセであり、あくまでも自殺しようとする人を減らす事が重要だとは思います。

話は少し脱線しましたが、初期キリスト教の司教のヒッポのアウグスティヌスは『自らを殺す者は殺人者である』と記しています。

しかも、ピウス十世のカテキズム(教理問答書)には『自殺した者にはキリスト教徒としての埋葬を拒否すべし』とまで記されていて、キリスト教としては何が何でも自殺は許さんという強い意思がうかがえます。

このような事から、ヴィクトリアの自殺は大罪とされてしまったのでしょう。

ただし、自殺が大罪という考えはキリスト教だけではなく、仏教・ヒンズー教・イラスム教・ユダヤ教なども罪にあたるという考えですが、自殺はNGでも殉教はOKとする宗教が多いので、この辺りはなんだかなぁと思ってしまう所です。

死霊館のシスター』と他の映画を比較

今作で、悪魔に乗っ取られたシスターが、神父や修道女たちを苦しめますが、このシスターが、映画『死霊館 エンフィールド事件』で登場します。

エド・ウォーレン(演:パトリック・ウィルソン)が、悪魔のようなシスターを絵に描いてしまい、その絵にゆっくりと黒い影が近づいていって、エドの妻に襲いかかってしまうのです。

しかも、悪魔が標的にした家族たちに圧力をかけて、教会関係者たちに手をひかせるように策謀をめぐらして、エドたちは苦戦をしいられてしまいます。

エドたちが多く登場するので、死霊館シリーズが好きな方には『死霊館 エンフィールド事件』のほうがオススメですが、ホラーの怖さとしては死霊館のシスターのほうが上という感じがしますね。

www.akira-movies-drama.com

映画『死霊館のシスター』のまとめ

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引用:https://www.amazon.co.jp/

死霊館のシスターを見た感想について、詳しく解説します。

映画『死霊館のシスター』のオススメ層

ヴァチカンや尼僧(出家した女性)などが登場するので、キリスト教に興味がある方は、見てみるのも悪くはありません。ただし、首吊りした遺体は、結構なインパクトがあるので、そこは注意が必要です。

  • キリスト教に興味がある方:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
  • キッズ:⭐️⭐️
  • 若年層:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
  • 中年層:⭐️⭐️⭐️⭐️
  • シニア層:⭐️⭐️⭐️

映画『死霊館のシスター』の残念な所

アイリーンが、ヴァチカンから指名されますが、なぜ指名されたのか?その理由がハッキリしなかったので、何かモヤモヤ感が残りましたね。

神父としては、地理に詳しいと聞いていたから、一緒に同行すると思っていたのに「あまり詳しくない」と言われてしまうので、謎が残る感じでした。

映画『死霊館のシスター』の見所

ヴィクトリアの遺体や、シスターの姿をした悪魔が大群で迫ってくる所などは、なかなか怖い感じがして良かったですね。

洋画ホラーではありがちなポルターガイストが、ほとんどなかったのに、これだけ怖く感じるとは、死霊館シリーズは質の高いホラー映画という感じがします。

それに比べて、最近のジャパニーズホラーは元気がない感じなので、もう少しホラーに力を入れる監督が増えて欲しいものです。