映画『身代わり忠臣蔵』では、吉良孝証(ムロツヨシ)が、兄・上野介の身代わりになって、吉良・浅野の両家の遺恨を終らせようとします。
そんな映画『身代わり忠臣蔵』のムロツヨシさんたちの9つの名言を紹介するので、参考にしてみて下さい。
映画『身代わり忠臣蔵』のキャスト
日本の歴史映画『身代わり忠臣蔵』は、年に公開されました。
監督&脚本&ナレーション
登場人物&俳優
- 吉良上野介(演:ムロツヨシ)吉良家の当主
- 吉良孝証(演:ムロツヨシ)吉良上野介の弟
- 大石内蔵助(演:永山瑛太)赤穂藩の家老
- 桔梗(演:川口春奈)貧乏旗本の娘
- 浅野内匠頭(演:尾上右近)赤穂藩主で、殿中で刃傷沙汰を起こす
- 徳川綱吉(演:北村一輝)徳川5代将軍で、犬公方と言われる人物
- 柳沢吉保(演:柄本明)幕府の側用人で、吉良家をたびたび脅す
- 斎藤宮内(演:林遣都)吉良家の家臣。吉良孝証にある事を頼む
- 清水一学(演:寛一郎)吉良家随一の剣客
- 堀部安兵衛(演:森崎ウィン)赤穂藩の中でも仇討ちを強く主張する浪士
- 大石りく(演:野波麻帆)大石内蔵助の正室
- 高尾太夫(演:橋本マナミ)吉原の太夫
- 春凪(演:加藤小夏)吉原の女
映画『身代わり忠臣蔵』のストーリー
吉良孝証は、名門吉良家の生まれだったのに、嫡男ではなくて、ひもじい毎日を過ごしていました。
兄・上野介は「お前のような奴は馬小屋におれ!誰も、こやつに餌は与えるなよ」と言い放ちます。
哀れにも、吉良孝証は馬小屋に住むハメになりますが、桔梗があ「あの、これを」と密かにおにぎりを渡してくれたのです。
以前から、この桔梗に恋をしていた事もあり「ありがとう」とお礼を言います。
そのあとに大事件が起こります!なんと、江戸城松の廊下で、赤穂藩主が、吉良上野介に斬りかかったのです!
徳川将軍・綱吉は劣化のごとく怒り、赤穂藩主・浅野内匠頭は即日切腹!赤穂藩はお取り潰しと決まりました。
本来なら喧嘩両成敗のはずなのに、吉良家はお咎めなしとなり、赤穂藩士たちは激怒します。
吉良上野介は傷がもとで亡くなってしまい、兄の身代わりを務める事になりました。
兄とは違い根が優しかった事から、桔梗や家臣たちに優しく接して、給与を今までよりも1.2倍に増やして、食事も1汁1菜から、2菜に増やすように命じます。
周りの家臣たちは「ありがとうござます、殿!我々は一生、あなたについていきます」と感謝されます。
しかも、家臣の息子からも慕われて、似顔絵まで献上してもらいました。
そんな時に、赤穂藩が討ち入りしようとしていると知って、密かに大石内蔵助と会って直談判します。
「実は、上野介はすでに死んでいてる。そこで俺が屋敷の庭に出て、身代わりになって討たれやすくする」
「そうすれば、家臣たちが無駄に死なない。これで、両家の遺恨を終らせよう」
大石内蔵助は「さすが、名門・吉良家の当主」と感動して、ついに主君の月命日に吉良邸に討ち入ります。
吉良孝証は「来たか」とつぶやき、討たれやすいように外へ出ようとします。
身代わりになっていた事に感づいていた桔梗から「全てを背負われるのですか?あなたは優しい孝証様ではないですか?」
そう言われても、大石内蔵助と約束した庭へ向かいますが、このまま討たれてしまうのでしょうか?
映画『身代わり忠臣蔵』のムロツヨシ達の9つの名言
身代わり忠臣蔵で、ムロツヨシさん達によって、9つの名言があり、それは以下のような内容です。
慈悲のない世は地獄
中世の時代では、吉良孝証のように、長男ではない者はあとをつげない事から、家を出て仏門に入ったり、もしくは養子に行ったりする事が多い世の中でした。
吉良孝証は出家をして、お経を唱える代わりに、お布施をもらおうとします。
しかし、お布施を全く貰えず「慈悲のない世は地獄だ!」と嘆いてしまうのです。
無駄な命などはない必ず意味がある
吉良孝証は、お布施をもらえず、騒いでいると、そこに犬が襲いかかってきて、逃げようとしたら、橋から川に落ちてしまいました。
『誰か、助けてくれぇ』と思っていた時に、大石内蔵助が助け出してくれて、塩飴を差し出してくれます。
しかし、ひもじい日々に嫌気がさして、俺に価値などないとわめいていしまいました。
大石内蔵助は「無駄な命などはない。必ず意味がある」とさとしますが、この名言が、吉良孝証を凄く強くする言葉になっていきます。
せめて、あと一太刀
浅野内匠頭は、吉良上野介から、何も礼儀作法を教えてもらえないどころか、扇子で叩かれてしまい、烏帽子(袋状のかぶり物)がハズレかかってしまいます。
吉良上野介は、その無様な姿を見て、あざけ笑うと「吉良上野介、待てぇ、このたびの遺恨、覚えたか!」と斬りかかってしまいました。
しかし、周りの者たちに止められてしまい、その場でとどめを刺す事ができず
「あと一太刀(ひとたち)、せめてあと一太刀」
浅野内匠頭は、無念の名言をつぶやいてしまうのです。
殿中でござる殿中でござる
浅野内匠頭が、江戸城の松の廊下で、刀を抜いて、吉良上野介に斬りかかった事は、驚天動地の出来事でした。
茶坊主が慌てて「殿中でござる!殿中でござる!」と慌てて報告に向かいます。
なぜなら、いかなる理由があっても、将軍のお膝元・江戸城内(殿中)で刀を抜く事はかたく禁じられていたからです。
徳川綱吉は、江戸幕府を武断政治(武力による政治)から文治政治(武力を用いないで行う政治)に変えようとしていました。
しかも、京の都から来ていてた使者を手厚く、もてなしていた時でした。
そんな時に、こんな事件が起きてしまい、烈火のごとく起こり、藩主であっても、即日に切腹させて、赤穂藩は断絶させました。
江戸幕府は喧嘩両成敗と決めていたのに、吉良家には何もお咎めなしと決めてしまい、この理不尽さが、のちの赤穂浪士の討ち入りを誘発させます。
武士の一分が立たぬ
浅野内匠頭は、赤穂藩がお取り潰しとなっても、赤穂藩の再興を目指していました。
しかし、赤穂浪士たちから「仇討ちをせねば、武士の一分がたちませぬ」と嘆願されていました。
武士の一分とは、武士が命をかけて守らなければならない名誉や面目の事であり、映画のタイトルになった事もあるほどの名言です。
家臣とは家族のようなもの
吉良孝証は、吉良上野介の振りをする事になりますが、桔梗たちが質素な生活をしている事に気づきます。
「なぜ、このような食事を?」と聞くと、桔梗は「殿から、質素にするようにと言われましたので」
そこで、兄だけが贅沢な暮らしをして、家臣たちにだけ質素倹約(節約生活)を無理強いしている事を知りました。
吉良孝証は、兄とは違い、根が優しかったので、すぐに立て札を外にたてさせます。
立て札には『家臣たちの給与を1.2倍に増やす、食事は1汁1菜から1汁2菜に増やして良い』と書かれていました。
家臣たちは、あまりの優しさに感激して、どこまでも忠誠を誓う事を約束します。
しかも、子供にまで優しかったので、子供からは似顔絵を描いて渡してくれるほどの人気者になります。
吉良上野介は、赤穂浪士が討ち入りしようとしていると知って、家臣の血が流れる事を恐れました。
そこで、大石内蔵助に「家臣とは、家族のような者」と言って、自分の命を犠牲にして、早めに遺恨を終らせようとします。
武士は哀れな稼業
吉良孝証は、家臣たちをいたわる一方で、武士が面目のために、命を投げ出す事について「武士は哀れな稼業だ」と嘆いてしまいました。
途中でお寺から逃げ出してしまいましたが、仏門の教えは、しっかりと頭に叩き込まれていたのかもしれませんね。
さすが名門・吉良家の当主
大石内蔵助が、川で助け出した吉良孝証と、吉原で再会をして、朝までどんちゃん騒ぎをして、心を許す仲になっていました。
ところが、翌日、吉良孝証がやってきて、幕府の側用人・柳沢吉保が企んでいる事を打ち明けます。
「実は、俺の兄は吉良上野介だ。幕府はわざと吉良邸を本所松坂町という辺境に移させて、赤穂浪士に討ち入りさせて、返り討ちにしようと企んでいる」
大石内蔵助は「どこまで、我らを愚弄(侮辱)すれば気が済むのだ」と幕府に怒りがこみあがっていきます。
「俺が、兄のフリをして、討たれる。それで両家の遺恨を終らせよう。そうすれば、無駄な血が流れないで済む」
思いがけない言葉を聞いて、大石内蔵助は思わず「さすが、名門・吉良家の当主」と感動するのです。
俺とアンタで遺恨を終らせよう
吉良孝証は、兄・上野介のせいで、赤穂藩主は切腹に追い込まれて、家はとりつぶされた事に心を痛めていました。
しかも、多くの家臣たちが浪士(浪人となった武士)になった事には、頭を下げる事しかできません。
大事な家臣たちを争いに巻き込みたくないと思って、なんとか、討ち入りだけは辞めるようにと嘆願します。
しかし、大石内蔵助から「それでは、赤穂の面目が立ちません」と断られます。
もはや、戦いは避けられないと覚悟をして「それでは、俺が兄のフリをして討たれる。俺とアンタで遺恨を終らせよう」誓い合うのです。
『身代わり忠臣蔵』と他のドラマを比較
www.akira-movies-drama.com忠臣蔵は、江戸時代から、多くの日本人に愛されてきた物語であり、2004年にテレビ朝日で『忠臣蔵』が放送されました。
このドラマでは、松平健さん・沢村一輝さん・伊東四朗さんたち、豪華なキャスト陣が集結しました。
理不尽な世にあらがいながらも、怨敵・吉良上野介を討とうとする所は感動すら覚えます。
大石内蔵助(松平健)が、近くに間者(スパイ)がいる事に気づいて、亡き主君の正室・瑤泉院(櫻井淳子)に「仇討ちする気がありませぬ」と嘘をつきます。
瑤泉院は、嘘をついている事にきずかず「不義不忠の臣!この腰の抜けた犬侍!顔を見るのも嫌じゃ」と吐き捨てられました。
それでも、グッとこらえて、家臣たちが仇討ちを約束した連判状を瑤泉院に仕える者に渡して、仇討ちに向かう所は見事でしたね。
今作の映画とは違って、シリアスな感じはしますが、おおもとの忠臣蔵を理解する意味で、見ておいて損はないハズです。
映画『身代わり忠臣蔵』のまとめ
身代わり忠臣蔵を見た感想について、詳しく解説します。
映画『身代わり忠臣蔵』のオススメ層
あの忠臣蔵が題材にされていますが、コミカルに演出されているので、年配の方から、子供まで楽しめる映画になっています。
清水一学と堀部安兵衛の対決など、おさえるべき所はしっかりとおさえていました。
このような事から、忠臣蔵が好きな歴史ファンが見ても、満足のいく内容になっていると言えるでしょう。
- キッズ:⭐️⭐️⭐️⭐️
- 若年層:⭐️⭐️⭐️⭐️
- 中年層:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
- シニア層:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
映画『身代わり忠臣蔵』の残念な所
吉良孝証が、生まれてくるのが遅かっただけで、かなり損をしていて、やはり、こういう時代だったんだなぁと思ってしまう内容になっていました。
それでも、多くの者たちが平和を楽しめるシーンもあって、あらためて、戦国の世を終わらせた徳川家康は偉大な英雄だったと思うばかりです。
映画『身代わり忠臣蔵』の見所
大石内蔵助が「さすが、名門・吉良家の当主」と言うシーンがありましたが、本来の忠臣蔵であれば、聞けない言葉でしょう。
きっと、大石内蔵助は『この男こそ、名門・吉良家の当主にふさわしい人物だ』と思ったに違いありません。
少しコミカルに描いている映画だからこそ、今までの忠臣蔵では聞けない名言もあるので、それが今作の大きな見所になっていますね。