映画『イレブン・ミニッツ』では、女優のアニャは少し不道徳な性格をしていましたが、時空の速さと髪の毛によって美しく見えるので、詳しく解説しましょう。
『イレブン・ミニッツ』のキャスト
ポーランドとアイルランドによる合作のサスペンス映画『イレブン・ミニッツ』は、2016年8月20日に日本で上映されました。DVDの収録時間は81分です。
監督&脚本
イレブン・ミニッツのイエジー・スコリモフスキ監督は、ポーランド出身で、三大国際映画祭(カンヌ・ベネチア・ベルリン)を制覇したほどの方になります。その方が新たに手掛けたのが、多くの点が1つの破滅に向かうイレブン・ミニッツです。
- 監督:イエジー・スコリモフスキ
- 脚本:イエジー・スコリモフスキ
11人の登場人物
イレブン・ミニッツに登場する11人の人物は全てが欲望深いという訳ではありませんが、その多くは欲望にまみれて、思わぬトラブルに巻き込まれてしまいます。
- ヘルマン:嫉妬深い夫
- アニャ:野心家な女優
- リチャード:映画監督
- ホットドッグ屋の店主:息子の結婚式を待ち望む父
- バイク便の男性:結婚を控えている男性
- 救命隊員:人命救助に懸命になる女性
- 犬を連れた女性:コワモテの風貌をした女性
- 青年:黒いハエが気になる男性
- 画家:橋の近くで絵を描いていた老人
- 登山家の女:ビデオを見たがる女性
- 登山家の男:窓拭きの仕事をする男性
『イレブン・ミニッツ』のストーリー
ワルシャワの時計塔が午後5時に針をさした時に、ヘルマンは妻の姿がない事にあわてます。その頃、妻のアニャは女優として成功するために、映画監督に会いにホテルへ向かっていました。
街中ではホットドックを売っていた店主が、若い女性に「先生もう出所できたんだ?」と話しかけられて、ツバを吐きかけられてしまいます。そんなホットドックに何回も買いにくるヤンキー風な女性もいました。
映画監督とアニャが会っているホテルの別の部屋では、登山家の男女がビデオ鑑賞を楽しんでいました。所が登山家の女性は外出していき、男性のほうはホテルの窓拭きの仕事をするために、外側から窓を拭こうとします。
その頃、救急隊員はアパートで暴れる男に麻酔薬を打って、危険な状態に陥った若き女性や老人男性を救急車に運び込んでいました。
そして救急車とバスは、5時11分になる前に同じ道を走ろうとして、映画監督とアニャがいるホテルの近くを通りかかろうとするのです。
ヘルマンはアニャが5時に待ち合わせをしていた事を知っていたので、女優である妻に手を出そうとしているのは映画監督と見抜いていました。そこで消化器を片手に、強引に映画監督とアニャがいる部屋に突入してしまいます。
突然のヘルマンの突入に驚く映画監督ですが、ヘルマンは妻を助けるために無我夢中に駆け寄っていきます。その激しい嫉妬心が、点と点になっていた者たちを一気に破滅に導きます。はたして彼らは、この後どうなってしまうのでしょうか?
『女優のアニャが美し感じるのは時空の速さと髪が関係』
アニャは、長いブロンドの髪の毛をなびかせる女優でした。この映画は、ゆっくりとスローモーションのように、アニャが動いていくシーンがあり、そこでは髪の毛が優雅になびいていき、アニャの美しさを倍増させています。
男性は、古来より左右に揺れるものに、惹かれる習性があります。そのため、男性を惹きつける目的もあって、耳から垂れ下がるピアスをつける風習が、世界各国にあったと言われています。
参照元:https://style-knowledge.com/yurerumono/
アニャが美しく見えるのは、男性特有の習性を上手く突いているからでしょう。
『イレブン・ミニッツ』と他の映画を比較
イレブン・ミニッツは、点と点がつながっていくサスペンス映画であり、カウントダウンをしていく映画でもありました。そのような映画と似ている映画と比較しながら、評価したいと思います。
点と点がつながる『怒り』
日本のミステリー映画『怒り』も点と点が線となって繋がっていく映画になります。この映画『怒り』では、東京・千葉・沖縄に住む男たちが容疑者なのかもしれないと周りの者たちに疑われてしまうストーリーです。
イレブン・ミニッツとはストーリーの内容は大きく異なっていますが、点と点が繋がっていくのは似ています。ただしストーリーが進むテンポで言えば、私は怒りのほうがスムーズで好きでしたが、怒りは不愉快に思えるシーンがありました。
そのため、総合的に見たら、怒りよりもイレブン・ミニッツのほうが見終わった後に爽快感がありましたね。
『イレブン・ミニッツ』の感想
ヘルマンの暴走が、1つの破滅へ導いていくサスペンス映画を見た感想を紹介するので、参考にしてみて下さい。
イレブン・ミニッツのオススメ層
夫のいきすぎた嫉妬が、ラストシーンで破滅を招いてしまうので、夫婦でよく喧嘩しがちな方は、この映画を見て少し冷静になる事を考えてみたほうが良いかもしれません。
しかし、結婚している身でありながら、ホテルで男と二人っきりで会うアニャも少しどうかとは思いましたね(苦笑)。
- 夫婦:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
- キッズ:⭐️⭐️
- 若年層:⭐️⭐️⭐️⭐️
- 中年層:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
- シニア層:⭐️⭐️⭐️⭐️
イレブン・ミニッツの残念な所
この映画では登場人物があまりにも多すぎる上に、11人が行なっていくシーンはあまりにも意味がないように見えて、少しイライラさせるような展開でした。
映画のタイトルがイレブンと付いているので11人になるのは分かりますが、タイトルを変えてでも、登場人物の数を減らしたほうが良かったのではないかと思えるほど、ストーリーが途切れているように感じました。
イレブン・ミニッツの見所
ストーリーが途切れるように感じる映画なので、ラストシーンにくるまでは少しウンザリした感じで見ていましたが、ラストシーンで一気に1つの破滅に繋がっていく辺りは、今までのイライラが吹っ飛ぶ思いでした。
恐らくイエジー・スコリモフスキ監督は、鑑賞者をじらしておいて、ラストで一気に感情を吹き飛ばすような仕掛けをしていたのではないかと思います。
そのため、この先に何が起きるのか分からないというハラハラ感よりも、ラストシーンで、ゆったりとしたストーリーが一気に爆発するような所が、この映画の大きな見所です。