映画『死刑にいたる病』で、加納灯里(演:宮崎優)には、色々と無自覚の罪があったので、詳しく紹介します。
映画『死刑にいたる病』のキャスト
日本のサスペンス映画『死刑にいたる病』は、2022年5月6日に公開されました。
監督&脚本
登場人物&俳優
- 榛村大和(演:阿部サダヲ)24人の連続殺人事件を起こした死刑囚
- 筧井雅也(演:岡田健史)死刑囚に興味を抱く男子大生
- 筧井衿子(演:中山美穂)筧井雅也の母親
- 金山一輝(演:岩田剛典)ロングヘアーの男性で謎が多い
- 加納灯里(演:宮崎優)榛村大和に好意を抱く女子大生
映画『死刑にいたる病』のストーリー
筧井雅也は、普通の男子大学生だったのに、死刑囚の榛村大和から手紙を貰い、接見する事になります。
榛村大和は、24人もの少年・少女・成女を連続殺人していった凶悪犯であり、死刑がほぼ確定している男でした。恐ろしい事をしてきたのに、表面上では、パン屋で優しい店長という顔も持っており、睡眠薬を飲まされた客は、ほぼ無警戒だったのです。
眠らされた少年や少女たちは、誰もが黒髪で17〜18歳の者たちであり、容疑者の家の近くの小屋で爪をはがされて拷問されてしまい、殺害されていきました。
そんな男が、筧井雅也に向かって「実は、24人のうち、1人だけ自分が殺した人ではないんだ。自分が殺してきた者たちは、全て17〜18歳の少年や少女だけであり、20歳を超える成人女性を殺害する訳がない」と教えられます。
筧井雅也は『確かに、言われてみれば』と納得して、色々と調べるようになったら、彼女をつきまとっているストーカーもいましたが、その者には完全なアリバイがありました。
ところが、ロングヘアーで怪しそうな金山一輝が、事件に大きく関係している事が分かり、森の中で「実は僕が殺したんだ」と打ち明けられて、筧井雅也を走っておいかけてきたのです!
これで、一人だけ犯人が違う者という事がほぼ確定したハズなのに、なぜか筧井雅也は、榛村大和に再び接見して「あなたが24人全てを殺害したんですよね」と迫ってしまいます。
なぜ、金山一輝が自分で殺害を自供したのに、全ての殺人が榛村大和の仕業になるのでしょうか?
『加納灯里(演:宮崎優)の無自覚の罪』
加納灯里(演:宮崎優)は、昔、誰からも声をかけられなかったのに、筧井雅也だけが声をかけてくれたので、密かに恋心を抱いていました。
そこで、思い切って、筧井雅也に「就活に向けて情報交換するから、よかったら、あの店で待ち合わせない」と誘ってみます。
筧井雅也は、その言葉を信じて、お店に到着しますが、約束の時間から40分以上も過ぎても彼女は姿を現しません。
そろそろ帰ろうかと思った所で、加納灯里たちがやってきて「ごめんなさい、ミーティングが思ったよりも伸びちゃって」と謝ってきました。
一緒に来た男子の中には、筧井雅也を快く思っていない者もいたので「よく、こんな大学で就活の意見交換する気になれますね」と聞いてみたら「こんなFランクの大学で、そんな気がある訳ないだろ」と言われてしまうのです。
加納灯里は「あの、情報交換というのは名目上の事で、飲み会をするだけの集まりなの」と今さらになって釈明して、頭に来た筧井雅也は帰っていきます。
男子は、そんな筧井雅也に「席を確保してくれて、ありがとうな!」と嫌味を言ってしまう始末でした。
好きな男子と一緒になりたくて、色々と積極的に動くのは悪くないと思いますが、遅れるのであれば、事前に連絡すれば良いはずです。さらに、待ち合わせの約束をする時に、飲み会と言っておけば、こんな事にはならなかったハズです。
そういった事を考えれば、加納灯里(演:宮崎優)は無自覚の罪をいくつも犯していると言えますね。なぜ、こんな思いやりのない事ができるのか?それは、加納灯里が榛村大和の娘だからではないでしょうか?
なぜなら、ラストシーンで、筧井雅也が加納灯里に「綺麗な爪だね」と褒めた時に「はがしてみたい?私は好きな人の一部をとっておく気持ちは分かるなぁ」と言うので、筧井雅也の表情が凍りついてしまいます。
こんな事を考えて言えるのは、あの死刑囚のDNAが流れている証拠と言えます。(あくまでも映画の話であり、実際には身内で犯罪を犯した人がいたとしても、その家族の中には立派な人が多い場合があります)。
榛村大和は嘘をつくシーンがあり、筧井衿子は若い頃、榛村大和と仲の良い時に妊娠していました。
この時は、死産したという話でしたが、その話が嘘という可能性があり、その時に生まれた人物が、加納灯里の可能性があります。そのような恐ろしい経歴を持つ加納灯里であれば、無自覚に色々な罪を犯してきても、おかしくはないでしょう。
そんな宮崎優さんのプロフィールは、以下の通りです。
『死刑にいたる病』と他の映画を比較
死刑にいたる病では、死刑囚と接見して、他の犯人を探そうとしますが、映画『ファーストラヴ』でも、真壁由紀(演:北川景子)が容疑者の聖山環菜(演:芳根京子)に接見します。
しかし、容疑者から「動機はそちらで見つけて下さい」と挑戦的な事を言われます。
死刑にいたる病が残酷な描写にこだわるあまり、接見する場でのやり取りが少し希薄になった感じは否めません。それに比べて、ファーストラヴでは北川景子さんと芳根京子さんの間で、いくつもの駆け引きがあり、引き込まれるものがありました。
もしも、インパクトのあるシーンよりも、人間同士の駆け引きにこだわりたい場合には、ファーストラヴのほうがオススメですね。
映画『死刑にいたる病』のまとめ
死刑にいたる病を見た感想について、詳しく解説します。
映画『死刑にいたる病』のオススメ層
死刑囚が起こした連続殺人の中で、実は違う犯人がいるかもしれないというストーリーは、惹きつけられるものがありましたが、いかんせん描写が残酷すぎるので、キッズやファミリー層にはオススメできないスリラー映画です。
これはどちらかと言えば、残酷なシーンや、インパクトのある映画を見たい方にオススメしたい作品ですね。
- 刺激的な作品が好きな方:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
- キッズ:⭐️
- 若年層:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
- 中年層:⭐️⭐️⭐️⭐️
- シニア層:⭐️⭐️
映画『死刑にいたる病』の残念な所
ファーストラヴのように、接見しようとする者と容疑者の間で、色々な駆け引きが生まれる事を期待していましたが、その駆け引きよりも残酷な描写にこだわりすぎたのが残念でした。
あそこまで、残酷な描写は控えるようにしたほうが良いとは思うんですよね。さすがに爪をはがしたり、肉を切り刻まれた女性が泥の中をはいずりまわったりするのは、普通の感覚の人間であれば、目をそむけたくなるシーンでした。
映画『死刑にいたる病』の見所
榛村大和が違う犯人を探していく中で、色々と新事実が出ていくのは、なかなか見ごたえがありました。
思いがけない人間関係が出てくるので、サスペンス映画好きの方だけではなく、ミステリー映画が好きな方でも満足できる映画と言えるでしょう。
さらに、ラストシーンで加納灯里(演:宮崎優)が「(爪を)はがしたくなった?私は好きな人の一部をとっておきたい気持ちは分かるけどな」と言う所がありますが、聞いているだけでゾクゾクするほど怖かったですね。
あれは、色々と意味深な発言だったので、最後まで楽しませてくれるスリラー映画でした。