映画『仕掛人・藤枝梅安』では、おみの(天海祐希)が鳥を飼っていたのは人間であり続けるためだったので、その理由について紹介します。
映画『仕掛人・藤枝梅安』のキャスト
日本の時代劇の映画『仕掛人・藤枝梅安』は、2023年2月3日に公開されました。
監督&脚本
登場人物&俳優
- おみの(演:天海祐希)料理屋・万七の新しい女将になった人物
- 藤枝梅安(演:豊川悦司)表向きは針治療の医者でも、裏では仕掛け人
- 彦次郎(演:片岡愛之助)藤枝梅安と親交のある仕掛け人
- おもん(演:菅野美穂)料理屋・万七で働く女中
- おせき(演:高畑淳子)藤枝梅安の家で働く女中
- 石川友五郎(演:早乙女太一)腕の立つ侍
- 羽沢の嘉兵衛(演:柳葉敏郎)藤枝梅安に仕事を依頼する蔓
- 嶋田大学(演:板尾創路)将軍家御側衆の旗本
- お千絵(演:井上小百合)あるお寺にかくまわれる女子
- 伊藤彦八郎(演:石丸謙二郎)久留米藩の江戸藩邸の御用取次役
- お香(演:中村ゆり)久留米藩士の妻
- 善四郎(演:田山涼成)料理屋・万七の主人
- 善達和尚(演:若林豪)藤枝梅安に治療を求める和尚
映画『仕掛人・藤枝梅安』のストーリー
おみのは、料理屋、万七の新しい女将になりましたが、以前よりも儲けられるようになりました。
しかし、以前よりも、騒ぐ客が多くなり、藤枝梅安が女中のおもんに「客の質がだいぶ堕ちたね」と言われるほどでした。
実は、おみのは、貧しい家に行っては、綺麗な女子(おなご)に「お金がなくて大変だろう?このお金をあげるから、万七で女中として働いてみたらどうだい?危ない所だったよ、吉原で売られる所だったんだから」
その優しい言葉に、女子は「ありがとうございます」と涙ぐんで、頭を深く下げて感謝するのです。
しかし、万七で、新しく雇った女中を、武家に紹介しては、てごめ(暴行)にさせて、多くのお金を稼いでいました。藤枝梅安は、おもんから、その話を聞いて「ずいぶんとひどい話だね」と同情してしまいます。
おもんは「でもね先生、最初は無垢だった女子も、途中から性格が変わり、男に取り入ってしまうの、あの女将さんは無垢だった女子さえも変えてしまうの」
仕掛人だった藤枝梅安は、新しい女将おみのを仕留めてくれるように頼まれていましたが、途中で、おみのが生き別れの妹である事を知って苦悩します。
それでも、仕掛人として、おみのを殺害してしまいますが、その帰り道に、おみのが飼っていた鳥を見て、表情を歪めてしまいます。なぜなら、その鳥は兄弟が楽しく過ごしていた時の大事な思い出でもあったからです。
『おみの(天海祐希)が鳥を飼っていたのは人間であり続けるため』
おみの(天海祐希)は、幼い頃に、兄の藤枝梅安と一緒に住んでいて、髪をとかしてもらいながら「かわいいよ、お吉」と言われて「ありがとう」と微笑むほど幸せでした。
その頃は、お吉という名前でしたが、途中で母親から強引に連れていかれて、他の男と一緒に家を出て行ったのです。
兄の藤枝梅安は、途中で気づいて、妹を取り戻そうとしても、男に殴られて、妹は「お兄ちゃん」と叫んで、大好きな兄と離れ離れになってしまいました。
それから、お吉が大きく成長すると、男にてごめ(暴行)にされて地獄の日々でした。
しかし、彦次郎が盗賊から抜け出したくて、お吉をてごめにしていた棟梁を殺害して、金を持って抜け出しました。彦次郎は、のちに仕掛人となり、藤枝梅安と親しくなったので、お吉の事を詳しく教えられました。
おみのは、辛い日々を送ってしまい、すっかりと性格が変わってしまい、兄は苦悩してしまいますが、鳥を飼っていて、その鳥のお世話をする時だけは、優しい表情になっていたのです。
実は、おみのが幼少の頃、兄と幸せに暮らしていた時に、鳥を飼っていました。
藤枝梅安は、おみのを殺害した後に、妹が鳥を飼っていたのを知って『兄弟の思い出を忘れないでいたのか』と目を潤ませてしまいます。
おみのは、性格が変わってしまいましたが、鳥を飼っている時だけは、まだ純真無垢で兄を慕っていた人間らしい心を維持できていたのではないでしょうか?
映画『仕掛人・藤枝梅安』のまとめ
おみの(天海祐希)が、兄を慕っていたのに、離れ離れになって性格が変わってしまい、その大好きな兄に殺害されてしまい、かなり悲しい感じがしましたね。
しかし、殺害される瞬間に、ようやく大好きだった兄が目の前にいる事を知って、幸せそうな表情になれたので、そこだけが唯一の救いでした。